財務モデリングツール Arixcel の使い方

July 8, 2019
ソフトウェア
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講座目次

Explorer Precedents - 数式の参照元一覧を確認してセルへジャンプできる

Explorer Dependents - 数式の参照先一覧を確認してセルへジャンプできる

Formula Map - セルの情報を自動判別してハイライトしてくれる

Precedents & Dependents 履歴機能 - ジャンプした前のセルに戻ることができる

ショートカット設定機能 - ショートカットキーを自由に設定できる

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財務モデリングツール Arixcel とは

今回は、財務モデル作成やレビュー業務で便利な Excel のアドインである Arixcel を紹介する。Arixcel は、ナビゲーション機能とシンプルなマップ生成機能、ショートカット設定を持つ、シンプルで軽いモデリング補助ツールだ。機能がある程度限定されているものの、その分シンプルで使いやすく操作も直感的で何より動作が軽い点が良い。特に、簡易的にシート内でマップを生成できるため、モデル構築時のチェックに利用している。Dependents としての参照先をシートごとに集計してくれる点も秀逸。マイナスの点を言えば有料のツールであるという点と、ナビゲーション機能は軽いが要素の展開時に右矢印を使うので、少し使いづらい印象。ウェブサイトのロゴを見る限り、KPMG、Deloitte、PwC 等で使用している様子。筆者が過去在籍していた外資系コンサルティングファームのチームでも使用しているようだ。

Arixcel Explorer

https://www.arixcel.com/

数式の参照元一覧を確認してセルへジャンプできる Explorer Precedents

通常のナビゲーション機能だ。財務モデル内の特定のセルから参照元の一覧を作成し、参照元のそれぞれのセルへジャンプできる。下記は、エクセル上で紫色にハイライトされた 2,542,627 のセルから Arixcel Explorerを起動した図となる。

Value や Location を表示してくれたり、キーボードの矢印キーで参照元へ移動できる点は、TTS Turbo Macro と同じ。ウインドウ内の、Element をクリックすることで、参照元のセルへジャンプできる。一番下の 'PL Ca'!$N$41: ... をクリックすると ...

該当箇所へジャンプすることができる。この状態で Enter キーを押す、または右下の OK ボタンを押すと...

Arixcel のウインドウが消え、エクセルの該当箇所へフォーカスが移動する。TTS Turbo Macro との違いは、まず画面が右パネルではなくポップアップで表示されるところ。また、TTS Turbo Macro では Enter キーを押すと、1 つずつ別の要素へ移動するが、Arixcel Explorer では Enter キーを押すと、ポップアップが消え、フォーカスをエクセルへ戻すことができる。

数式の参照先一覧を確認してセルへジャンプできる Explorer Dependents

こちらも TTS Turbo Macro と同じく、参照元ではなく参照先一覧を表示する機能。下記は、S41 の 2,542,627 から Explorer Dependents を起動させた図となる。きちんと、Precedents からジャンプしてきた FS!S14 が参照先に含まれている。

上記の Arixcel Explorer の Range 一覧、一番下の 'BS Ca'!S30 をクリックすると ...

エクセル上で 'BS Ca'!S30 へジャンプします。Explorer Precedents の機能と逆だが、Dependents のリスト一覧については、同シート内 (K41) 、FS シート、BS Ca シートと、シートごとに分類されており非常に見やすい形となっている。Value などは表示されておらず、全体的にスッキリしていて、TTS Turbo Macro より Arixcel の方が、財務モデルのレビュー時に使いやすいと感じる。こちらも、Enter キーを押すか、右下の OK ボタンをクリックすることで、ウインドウが消え、フォーカスがエクセルへ移動する。

セルの情報を自動判別してハイライトしてくれる Formula Map

Arixcel では、シート内においてユニークな数式が入力されている場所をハイライトしてくれるマップ機能が搭載されている。Operis Analysis Kit がマップ生成の専門ソフトウェアにあたるが、Arixcel は Operis Analysis Kit ほどコストがかからず、その場で簡易的にハイライトを行ってくれるため、レビューを行う上でかなり便利。ハイライトの状態から、もう一度マップ生成を行うとハイライトを元に戻すことができる。下図では、ユニークな数式が入力されているセルがオレンジ色にハイライトされており、隣接するセルからコピーされているセルが緑色にハイライトされている。

ハイライト色はセルの性質に応じて種類があり、Arixcel の設定画面からセルの性質ごとに色を設定することができる。設定できるセルの項目一覧は以下。

  • Unique Formula ... 左または上から見て、最初に数式が入力されているセル
  • Formula Copied Across ... 左から右へコピーされている数式のセル
  • Formula Copied Down ... 上から下へコピーされている数式のセル
  • Formula Copied Across and Down ... 左からも上からもコピーされている数式のセル
  • Text Label ... テキスト (文字列) が入力されているセル
  • Number ... 数値が入力されているセル
  • Empty Cell ... 何もデータが入力されてないセル

デフォルト設定を用いる場合、上記のような色の設定となっている。

ジャンプした前のセルに戻ることができる Precedents (参照元) & Dependents (参照先) 履歴機能

Arixcel では、Explorer Precedents を起動したセルがソフトウェア内部で記録されており、Precedents を使ってジャンプする前のセルへ戻ることができる。通常、ナビゲーション機能を使ってジャンプしても移動する前にセルに戻ることはできないが、ショートカットを使ってジャンプする前のセルに戻ることができる。個人的にはあまり使わない機能だが、一部のモデリング実務者からよく使っているという声も聞いたりもする。

例えば、上記の図を見ると、先ほどは Precedents と Dependents の機能を使って、現在 2,542,627 のセルが選択されている。ここから、Ctrl + Backspace のショートカットを押すと...

Dependents 機能を使ってジャンプする前のセルに戻ってくることができた。更に、もう 1 度 Ctrl + Backspace キーを押してみると ...

Precedents 機能を使ってジャンプする前の、一番最初のセルに戻ってくることができた。Ctrl + Backspace を更に押し続けると、今度は一番最後に Precedents / Dependents を使った場所へ戻り、グルグルと循環をするような仕様になっている。私はそこまで履歴をためて使ったことはないが、最大で 100 個のセル履歴が保存されており、古いものから消されていくようだ。

ショートカットキーを自由に設定できるショートカット設定機能

Arixcel でも、TTS Turbo Macro や Modelmap Analyzer と同じく、機能ごとにショートカットキーを自由に設定できるようになっている。また、Precedents (参照元) や Dependents (参照先) をハイライトの設定もできるようになっている。

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Precise formula evaluation は、あまり意識したことがないので正直よく分からないが、Show icon in Formula Auditing ribbon group にチェックをつけておけば、数式タブの Formula Auditing の欄に、Arixcel Explorer のメニューが表示されるようになる。


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